みつ蜂と会話できるという人物、ブライスに会いにいく


オークランドから北島のフィティヤンガまでの道のりは、アクセスが悪いのでアリスターがヘリを手配してくれた。アリスターについて紹介すると、我々のためにニュージーランドの宝ともいうべき、貴重なマヌカハニーのオリジナルブランドを作ってくれた人物で、頼りにしています。ヘリの中から見える、壮大な景色に見とれつつ、眼下の海や牧草地、険しい地形に圧倒されていると、ほどなくマヌカツリーがそこらかしこに目に入り、目的地へ降りた。

迎えてくれたのは、噂に聞いていた人物、ブライス・フートンと彼の愛犬。彼は30年以上もハチミツを製造しており、いわば養蜂のプロ中のプロ。ニュージーランドの養蜂家の中でも一目おかれている有名人らしい。なんと、度重なる不思議な偶然の出来事により、両眼とも視力を失っているそう。もしかすると、ミツバチ達に導かれ、彼らとコミュニケーションを取るために、人間のなかから選ばれたのかもしれない。

早速、防護服を着て巣箱のある草原へ。そのひとつに近づくと、マヌカの木を炊いた煙を蓋をあけて浴びせた。蜂たちは、この煙によって大人しくなるそう。そして、目まぐるしく働く蜜蜂が無数に飛び出してきたのだが、私たちはみな素手のまま。

一瞬、えっ大丈夫かな?と思ったのも束の間で、ブライスの魔法のせいか、みつ蜂たちはみな穏やかで誰一人刺されなかったし、怖くなかったのが不思議。蜂の巣を持たせてもらうと、ずっしりと重い。素手で蜂に触ってみるよう促され、触れてみると感触はモコモコしていて可愛い。せわしなく羽をはばたかせているせいか、温かさを感じました。

季節が終わりかけだったものの、マヌカツリーと白い小さな花を見ることができて、来たかいがありました。マヌカハニーの話は尽きないので、改めて記事を投稿いたします。わかったことは、気が遠くなるほど沢山の蜜蜂により、この小さな花から蜜を集めて出来上がったハチミツのうち、高活性度のマヌカハニーは全体の1~3%だということ。ニュージーランドでも希少で高級なんですから、日本で手に入れるには高くなってしまって仕方ないです。